「先生、一生懸命やっているのに、なぜかお客さんに響かないんです。商品に自信はあるのに、全然売れなくて……」
Fさんが私のところへやってきたとき、その表情には焦りと困惑が入り混じっていた。話を聞きながら、私はあることが見えてきた。だから、こう聞いた。
「今、お客さんのことを考えていますか?それとも、自分の商品のことを考えていますか?」
Fさんは少し間を置いてから、「……商品のことですかね」と、どこか気まずそうに答えた。
そこなんだ。
いったい、なぜ彼女は怒るのか。なぜ子どもがダダをこねるのか。人がある行動をとるとき、その裏側にはどんな感情があるのか——そういうことが分かるようになると、人を動かせるようになる。
あなたが手に入れるべきは、究極の理解と最強の共感力だ。
必須スキル①「究極の理解」を身につける
ほとんどの会社は「自分が」「商品が」「会社の利益が」ばかりにフォーカスして、肝心の「お客さんの気持ち」をほったらかしにしている。だからこそ、お客さんにスポットライトを当てることができれば、ビジネスは必ず売れるようになる。
「人の立場に立って考えなさい」という言葉は昔から繰り返し言ってきたけれど、これを本当に徹底できる人はほとんどいない。
では具体的に何をすればいいのか。
例えば、Facebookで知らない人にメッセージを送るとしよう。相手がロック好きだと分かったとき、自分の商品を売り込みたい人はこういうメッセージを送ってしまう。「プロフィールを見て気になったのでメールしました。ロックが好きなんですね!私もよくフェスとかに行きます!私は、やりたいことが分からない人に夢を見つけて実現させるセミナーをやっている者です。よかったらこのページを見てください」——ただの迷惑メールだ。相手の立場には、まったく立っていない。
そこで「この人の役に立ちたい」「どうすれば喜んでもらえるか」と考えてみる。するとメッセージの中身が変わってくる。「ロックの動画が無料で見られるサイトがあって、ロック好きにはたまりませんよ」と情報をプレゼントするのもいいし、「最近ロックを聴き始めたんですが、初心者にオススメのアルバムはありますか?」と質問するのもいい。その人の得意分野なら、喜んで教えてくれる。教えてもらったら聴いて、ちゃんと感想とお礼を伝えること。人は自分のアドバイスが役に立ったと分かったとき、心から嬉しくなるものだから。
こんな話がある。ある似顔絵師の女性がブログを始めた。毎日毎日、自分が描いた似顔絵や活動内容をアップし続けたけれど、名刺用の似顔絵サービスは一向に売れなかった。そこで彼女は立ち止まって考えた。お客さんである20〜30代の起業家たちは、普段どんな一日を過ごしているのか。仕事から疲れて帰ってきて、ネットを開いて自己満足な似顔絵を見せられても「ふーん」で終わる。それに気づいた彼女は、ビールを飲んでいる写真をアップして「今日も一日お疲れ様でーす」と書いたり、起業家が求めている情報を面白おかしく発信し始めた。ブログの最後にさりげなく似顔絵名刺を載せると——それまで全く売れなかったサービスに、どんどん注文が入り始めた。
常に「この人の役に立ちたい」「この人に喜んでもらうにはどうすればいいか」と考え続けることで、フォーカスは自然と自分から相手へと移っていく。
必須スキル②「最強の共感力」を身につける
共感するために最も大切なことは、相手の「感情」にフォーカスすることだ。
例えば、友人が飼っていた大切な犬が死んでしまったとしよう。「なんで死んじゃったの?」「いつから病気だったの?」「何歳だったの?」と事実を聞きまくっても、相手はただ悲しくなるだけだ。そうじゃなく「もう会えないなんて、寂しいよね」「それは本当に悲しいよね」「大切な友達を亡くしたことがあるから、気持ちが分かるよ」と、感情に寄り添う言葉をかける。
相手がもっとかわいがってあげればよかったと後悔しているのか、いつも一緒にいた存在がいなくなって心に穴が開いているのか、思い出してしまって仕事が手につかないのか——状況によって感情は違う。
「いつから飼っていたの?」「ずっと具合が悪かったの?」といった質問で背景を知りながら、その奥にある感情を想像して共感していく。まったく同じ経験がなくても、似た感情は必ずどこかで経験しているはずだ。自分の中からその感情を引き出して相手と共有できたとき、相手は「この人は自分のことを分かってくれた」と感じる。
人は理解されたくて生きている。理解されたいから朝眠い目をこすって起きて、会社へ行って働き、何かをしようとする。
戦争が起きるのも、お互いがお互いを理解しようとしていないからだ。ある集団自殺を図った教団で、唯一生き残った人がマスコミのインタビューに答えた言葉が忘れられない。「唯一、教祖様だけが理解してくれた」——それだけの力が、理解と共感にはある。
Fさんにはこの「共感テンプレート」を伝えた。見ず知らずの相手とでも一瞬で距離を縮めて、心から信頼してもらえるようになる、4つのステップだ。
①まず相手にどんな問題があるのかを聞く。②次にそれについてどう感じているのかを聞く。③そして「分かるよ」と一言伝える。④最後に、自分が似たような経験をしたことを話す——この順番で話すだけで、相手は心を開いてくれる。
数週間後、Fさんから連絡が届いた。「お客さんの話をちゃんと聞くようにしたら、『あなたに頼みたい』と言ってもらえるようになりました。商品は何も変えていないのに、不思議なくらい売れ始めています」と、声に張りがあった。
共感ができれば、すべてのことはうまくいく。あなたの周りにいる人の「問題」を、今日から本気で聞いてみてほしい。そこから、すべてが始まるから。


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