「先生、人間関係が薄くて、いざというときに頼れる人がいないんです。どうすれば本当の仲間ができますか」
Iさんが私のところへやってきたとき、その言葉にはどこか孤独な響きがあった。話を聞きながら、私にはあることが見えてきた。だから、こう聞いた。
「最後に、誰かのためにわざわざ動いたのはいつですか?」
Iさんはしばらく考えて、「……最近は、LINEで済ませることが多いかもしれません」と答えた。
そこなんだ。
本当の仲間を作りたかったら、どんな時でもその仲間の力になること。
仲間が風邪を引いていたらメールだけじゃなく、おかゆを作ってわざわざ会いに行く。
お金がなくてイベントに来られないなら、代わりにお金を出してあげる。
お金がない頃から徹底的に力になってあげた人たちが、将来あなたの最強の仲間になっていく。人のことを豊かにし続けている人が、成功しないわけがない。
FacebookやメールやLINEで会った気になっているだけでは、何も得られるものはない。人と何かをするときは、必ず「会う」ことを大切にしてほしい。画面の向こうでは伝わらない温度が、直接会うことで初めて伝わるものがある。
ここで、忘れられない話をしよう。
ある人口3000人の小さな村に、1500人のファンを持つおばあちゃんがいた。村の半分の人間が、そのおばあちゃんのファンだったということだ。おばあちゃんが亡くなったとき、葬式に1500人が集まった。彼女は政治家でも、アイドルでも、有名人でもなかった。元々は小学校の先生だった。
では、なぜそれだけの人が集まったのか。
おばあちゃんはどんな時でも、教え子のお店からしか物を買わなかった。どれだけ安いお店ができようが、他に名医がいようが、値段が高くても教え子のところでしかお金を使わなかった。
レストランもマッサージも、自転車屋も洋服も、食料品から雑貨まで、すべてを教え子のところで。彼女にとってお金を使うこと、そして生きることは「縁があった人を応援すること、喜んでもらうこと」だったのだ。
縁があった人に豊かになってもらうようにする。縁があった人に喜んでもらえるようにする。これが究極の人たらしなのかもしれない、と私は思っている。
成功する1つの例として、常に人におごり続けること——自分のメンターにさえお金を出させずにご馳走する。友人と食事に行ったときには、相手がトイレに立った隙に会計を済ませる。もちろん「悪いよ」と言わせないための気遣いやトークは何パターンも用意しておく。そして友人や知人がビジネスやお店を始めたとき、真っ先に支援すること。金額的な支援だけじゃなく、人的な支援をしたり、アイデアを一緒に考えること。
人のことを豊かにし続け、応援し続け、元気にし続けている人で、成功していない人を私は一人も見たことがない。
Iさんはその話を聞いてから、しばらく黙っていた。やがて「疎遠になっている友人が何人かいます」と言った。
今がチャンスだ。友人がSNSで「体調が悪い」とつぶやいていたとき、「お大事にね」とメッセージを送る前に、フルーツの盛り合わせを買ってお見舞いに行ってみてほしい。相手は驚くはずだ。その驚きの中に、本当の仲間関係の芽が宿っている。
数週間後、Iさんから連絡が届いた。「久しぶりに会いに行ったら、相手がすごく喜んでくれて、なんか昔に戻ったみたいで——気づいたら3時間も話していました」と、声に温かさがあった。
自分の大切な人を大切に。大切なご縁を、本当に大切に。あなたの周りに、最近疎遠になっている大切な人はいないだろうか。その人を喜ばせるために何ができるか、今日だけ、真剣に考えてみてほしい。


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